タイトル
[ フクロウの生態を知りたい ]
八ヶ岳自然クラブ、八ヶ岳自然ふれあいセンター共催
講  師自然界の報道写真家  宮崎 学 氏
場  所八ヶ岳自然ふれあいセンター
日  時2006年11月26日(日曜日) 14:00〜16:10
天  候
入 場 者135名



自然界の報道写真家として知られている著名な写真家・宮崎 学 氏をお招きして、 県立八ヶ岳自然ふれあいセンターでフクロウについて語っていただきました。

フクロウのみならず野生動物の写真を撮るには自分を自然に溶け込ませ、動物たちと友達になる感覚が大切。 雛が誕生し、成長していく過程で獲物となる小動物の生態にも目を向け、そしてやがて迎える動物たちの死、 それらを通して自然界の循環に目を向けていくと 、今まで見えなかったものが見え、見過ごされていた動物たちのサインに気づき、 それが感動の一瞬の撮影に繋がっていくようです。



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会場は満員になり、急遽椅子を追加しました。

      クラブの齋藤代表の挨拶
北杜市の「市の鳥」としてフクロウに決定したことが報告されました。

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自然界で何が起こっているか、現場で観察・調査を続 けることの大切さについて語る本日の講師:宮崎学氏

 
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息を呑むような迫力あるフクロウの写真が次々プロジェクターで投影されました。

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長期間観察しているとフクロウは撮影者に対する警戒を次第に緩めていきます。 左はカメラに止まったフクロウ、右は撮影者の至近距離5mの木に止まるフクロウ。

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フクロウの主食・アカネズミ年間2,500匹のネズミを食べます。

森のいたるところにネズミの巣穴があります。

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ネズミに襲いかかるフクロウ

獲物を捕まえた瞬間

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フクロウの足は指先まで毛が生えており陸上の動物を捕る鳥の特徴です。 魚を捕る鳥では先端までは毛がありません。

足の裏には滑り止めのいぼいぼががあります。

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フクロウの後姿
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同じ姿勢のまま後を振り向いた。

フクロウの首の関節は他の鳥よりも2個多くあるため首が180度回ります。

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羽の拡大写真。毛羽で風切音を消しています。  この原理は新幹線 「のぞみ」 のパンタグラフの形状に生かされています。

抱卵したフクロウは孵化の10日前ごろからグォグォグォと鳴き、 3日前になるとピチッピチッと鳴いて卵の中の雛に語りかけています。

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88年間使われ続けた樹洞。 フクロウには巣を使い捨てにするフクロウ(新興住宅タイプ)と代々使うフクロウ(庄屋タイプ)がいます。


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折れかかった木の枝 折れた所が腐り樹洞になる 腐食部分を樹脂で覆った木

木の枝が折れ、雨水等で腐食し、蟻が穴を広げ、シジュウカラが営巣し、 リス、ムササビ、フクロウ、クマと樹洞は使われて動物たちの繁殖に寄与していますが、 最近樹木医による樹洞の補修が増え、自然界の循環が止められつつあります。


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オオタカの巣で雛を育てるフクロウ。 巣のメンテナンスをしないため、3年ほどでダメになります。

人が居なければ昼もフクロウは活動します。

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八ヶ岳の森には間伐した木々が放置されている所があり、 このままではやがて蟻が発生し、蟻を好む熊が現れるようになります。

講演後主催者から記念品(フクロウとヤマネのぬいぐるみ)が贈られました。


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