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八ヶ岳自然散策

ヤマブシタケ

写真 【2017年10月】
紅葉が見ごろの八ヶ岳の渓谷で、ミズナラの幹に発生したヤマブシタケを見つけた。 多数の針状突起が垂れ下がり、「ハリセンボン」の別名もある。深山幽谷にまれに発生し、「幻のきのこ」とも呼ばれる。
 
中国では四大山海珍味のひとつとして珍重されてきた。 スープなどの材料に用いられるが、内部がスポンジ状のため、スープをたっぷりと吸い込むのだ。
 
ヤマブシタケに含まれる「ヘリセノン」は、認知症に効果があるとして近年注目されている。 さらに、免疫力を高めるβ-D-グルカンを含み、抗癌作用などもあると期待されている。 漢方では、消化不良、胃潰瘍、神経衰弱、身体虚弱にも効果があるとされる。
 
奇妙な姿と不思議な薬効を持つ、ユニークなきのこである。 (文・写真 今井義幸)

このページは、「 八ヶ岳ジャーナル」紙に寄稿した記事を掲載しています。
 
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