【2018年6月】
初夏の朝、庭に出ると小さな黄色い花が目に入ってきた。
枝にびっしり微細な水玉がついている。よく見ると、ビーズみたいな水滴だ。
早速カメラを三脚にセットして、じっくり取り組んだ。スッキリした背景を選び、被写体を浮き上がらせた。
水滴の立体感を表すには、マクロレンズの特性を生かし被写界深度を浅くしたり、と楽しい時間だ。
一方では、自己満足だけでなく、どうしたら感じた美を共感してもらえるか。
これしかないと決めつけてしまいそうな堅い頭を揺すって、縦で撮ったら横位置もと、言い聞かせる。
俳句ではないが、「見て、感じて、考えて」の三ては、写真でも活きている。
ちなみに、毛状突起の水玉は、
余分な水が吐き出されたものと思っていたが、そんな機能はないらしいので、夜露か霧かもしれない。
(文・写真 高木 宥)