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八ヶ岳自然散策

ヤナギラン

写真 【2018年8月】
八ヶ岳ブルーの空が最も似合う花。それがヤナギランだと思う。青空と八ヶ岳を背に、草原の風にやさしく揺れるピンク色の花々。 群生するも、1本1本は凛として立つ。あたかも身の内に誇りを秘めているかのようだ。
 
夏の終わり花の下に4~8㎝の鞘状の�果ができる。熟すと4裂し、絹のごとき綿毛を付けた種が現れる。 この恐ろしいほどの唐突な変容は不思議で、旺盛な生命力を感じる。
 
小学校2年生の夏休み、家族で訪れた蓼科山でヤナギランの美しさに魅せられ、どうしても花の名を知りたくて、植物図鑑を買ってもらった。 初めて図鑑で調べた時の心の高鳴りは今でも覚えている。そして大学でヨーロッパに旅したとき、アラスカ空港から見た、壮大な草原に広がるヤナギランは、 優しく暖かく心を包んでくれる思い出の花である。  (文・写真 松本 靖子)

このページは、「 八ヶ岳ジャーナル」紙に寄稿した記事を掲載しています。
 
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